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【決定版】新規事業に必要なコアコンピタンスとは?

新規事業を立ち上げる

新しい事業の立ち上げに欠かせないのが、コアコンピタンスです。経営についてのビジネス用語として、すでに聞いたことがある方も多いかもしれませんね。

経営戦略や事業計画によく登場する用語ですが、何を指すのでしょうか。具体的には、どういう意味を持つのでしょう?

また、同様な経営に関する用語として、よく使われるケイパビリティーとの違いは? コアコンピタンスを実現している例として、どんな事業があるでしょう?

そして実際に、コアコンピタンスを評価したり分析したりする方法とは?

それではこれから、新規事業に欠かせないコアコンピタンスについて詳しく解説していきます。

コアコンピタンスとは?

90年代、経営戦略を立てる上で、コアコンピタンスの重要性を説いたのが、コンサルタント出身の経営思想家であるゲイリー・ハメルです。

コアコンピタンスとは、英語で「Core competence」と表記します。直訳すると、「核となる技術力や能力」のことです。

「コア」=核、すなわち事業を支える柱を意味しています。「コンピタンス」は、その事業を成功に導くための技術力・能力を指します。

ある事業を進めたい時に、他にはない独自の、強みとなる技術力や能力は何でしょうか。はっきりと自社の特色を打ち出し、競合他社との違いをアピールするために必要なのが、コアコンピタンスです。

つまり、同業他社と比べた場合に、「当社の強みは○○です」と一言で説明できるような、市場経済で生存競争を勝ち抜ける技術力・能力をも指しています。もちろん、コアコンピタンスをアピールする際は、そうした技術力を証明できる、具体的な根拠も示さなくてはなりません。

新規事業を立ち上げる能力

ケイパビリティーとは?

次は、経営用語のケイパビリティーについて解説していきます。

ケイパビリティーとは、英語で「Capability」と表記します。直訳すると、「能力」や「才能・可能性」を示す単語です。

経営戦略の中で、ケイパビリティーという用語は、事業組織としての能力や実現可能性を指す時に使われています。

その事業を成功に導き、発展させていくための、組織的な能力や強みは何なのか? 提供するサービスのポイントをどこに置くのか? 市場ターゲットは?

経営を進める上で、ビジネスのどの部分に力を入れて事業を発展させていくのか、具体的な戦略を表すのもケイパビリティーです。

コアコンピタンスとケイパビリティーの違い

日本語で、コンピタンスとケイパビリティーは、どちらも「能力」と訳されることがあります。単語は違っても、似たような意味に感じられるかもしれません。

コアコンピタンスとケイパビリティーについて、ビジネス用語として何となく理解できていても、正確に使い分けをして、両方の用語の違いを説明するのは、難しいですよね。混同して使用されているケースも多いかもしれません。

コンピタンス “competence”

コンピタンス(competence)は、その事業における「他社との違い」や「競争力」を示します。動詞の「compete」には「張り合う・競う」という意味があり、名詞の「competition」は「競争・競技会」と訳される単語です。

新規事業を始める時、それがオリジナルの新しいビジネスモデルだでも、すぐに追随するライバルが現れるかもしれません。既存の業界に参入する場合は、なおさらのこと、競合する他の事業と差別化を図ることが求められるでしょう。

コアコンピタンスは、その事業を成立させるための、競争力を備えた技術や能力のことです。外と競い合うための原動力なのです。

ケイパビリティー “capability”

ケイパビリティー(capability)は、「○○することができる」というように、実現できる能力という意味合いを含んでいます。たとえ現在はできていなくても、将来的に実現可能なら、それはケイパビリティーだといえるのです。

そのため、ケイパビリティーは将来的な事業の方向性も示すことがあります。固定化した事業モデルではなく、どう変化していくか、変化させたいのか、その事業の理念と密接に結びつく側面を持ちます。

ケイパビリティーは他社との競争・比較ではなく、組織内で事業を進めるための原動力です。

新しいビジネスを立ち上げる際のコアコンピタンス

IT系企業のコアコンピタンス具体例

ここからは、実際の事業での、コアコンピタンスの実例をご紹介していきます。

Googleのコアコンピタンス

グーグルのロゴ

世界中のユーザーが日常的に使用するGoogleは、どのようにして検索エンジンのトップシェアを占めたのでしょうか?

Googleの登場前から、Yahoo!などの検索サイトは複数存在していました。

たとえばYahoo!では、検索用のディレクトリがトップページに並び、さまざまなカテゴリから、ユーザーが興味のあるジャンルをクリックすることで情報にアクセスできました。キーワードによる各コンテンツ内の横断テキスト検索も可能でしたが、どちらかといえば補助的な機能だったのです。

検索エンジンとしてのGoogleが画期的だったのは、トップページはロゴと検索ウィンドウのみで、他の一切の情報は省き、キーワード検索をメインにしたこと。ユーザーは求める情報に、素早く簡単にアクセスできるようになりました。

「シンプルで直感的に使えるUI」は、初期のGoogleから変わっていません。便利に使える詳細な検索機能も備えていますが、それらを使いこなさなくても、あまり不便は感じないユーザーがほとんどでしょう。

Amazonのコアコンピタンス

アマゾンのロゴ

次に、ネット通販の最大手であるAmazonの例を見ていきます。現在は、電化製品や日用品、生鮮食品まで扱うようになりましたが、元は本とCD、ビデオ、DVDなどを扱うWebショップとしてスタートしました。

当時、ネット通販で本が買えるのは、たしかに便利でしたが、都市部ではあちこちに書店があり、版元から直接取り寄せもできました。本や音楽好きの消費者にとって、Amazonの魅力は、注文した商品が翌日には手元に届く、という「物流の即時性」でした。

また、洋書や洋楽CDなど、身近では手に入りにくい商品が、個人で簡単に購入できるようになった点も大きなポイントでした。その証拠に、Amazonの利用が浸透するにつれ、歴史ある洋書専門店が次々と閉店していきました。町の普通の書店が影響を受け始めるのは、その後のことです。

Amazonは、小売店を介さず、「商品と個人を直接結びつけるビジネス」のプラットフォームを、初めて生み出した企業の最大の成功例でしょう。すでにモノに限らず、「僧侶による祈祷」などのサービス自体が販売される例もあります。

Facebookのコアコンピタンス

フェイスブックのロゴ

SNSの利用を、世代を超えて一般のユーザー層に広げたことが、Facebook躍進のきっかけでした。

それ以前のSNSは、パソコン通信の時代に生まれた掲示板(BBS)や、メール投稿で交流するメーリングリスト(ML)、日本でFacebookの前にシェアを拡大したMixiの会員制コミュニティなどでした。クローズド型で、匿名性の強いSNSが主流だったのです。

Facebookは当初、アメリカの大学生により、学生同士の交流(恋人探しなど)を活発にするツールとして開発されました。登録は実名で、顔写真を公開するユーザーがほとんどです(公開先は限定することが可能)。

特徴的なのは、学歴や職場を公開するケースが多く、「履歴書」や「名刺」代わりに利用される傾向が強いこと。また、欧米の上流社会の流れをくむ「紳士録」(英語では「Who’s Who」)の側面を兼ね備えていることです。

これは、Facebookが高学歴のユーザー層からスタートし、世界中のユーザーへシェアを拡大したからだと思われます。

現在、膨大なユーザー数を抱えながら、Facebookは「商品を売るため(eコマース)」のツールに移行していません。むしろ、ユーザーがライフログを公開したり、自分の価値観やライフスタイルを発信したりするための「社交ツール」として機能しています。

Appleのコアコンピタンス

アップルのロゴ

世界中にインパクトを与えたMacというコンピューターを生み出し、その後もさまざまなデバイスに形を変えつつ、進化し続けているのがApple社です。

Appleは常に斬新なチャレンジをしてきたように思われています。IT系企業におけるクリエイティブや技術革新を象徴する存在ですが、決してオリジナリティでNo.1になったわけではありません。

Mac OSのGUIが、Xウィンドウの「パクリ」であるというのは、有名な逸話です。ウェアラブルな音楽再生装置として、iPodはウォークマンを駆逐してしまったし、Appleの技術革新の背景には、だいたい先行するハードウェアやサービスが存在しました。それらを「デザイン性やスタイルなど、外見のインパクト」で上回る製品を世の中に送り出すことで、No.1の座を獲得してきたのが、Appleの歴史です。

まさに、コアコンピタンスで勝ち抜いてきたわけです。Appleが圧倒的な競争力を発揮した時期には、必ず、創業者のひとりであるスティーブ・ジョブズの存在がありました。

コアコンピタンスの評価

コアコンピタンスはどう評価・分析するの?

最後に、コアコンピタンスを評価・分析する方法について、ご説明していきます。

コアコンピタンスの評価

コアコンピタンスの評価を決めるのは、経営の専門家ではなく、実際の顧客であるユーザー層です。

もしIT関連で新規事業を立ち上げ、短期間で爆発的にユーザー数が増えるなら、それは顧客に評価され、価値ある事業だと証明できることになります。

前の章で解説した通り、その製品やサービスを際立たせている「本当の強み」は何なのか、ユーザー目線から細かく分析していく必要があります。

コアコンピタンスの分析

新規事業を立ち上げる時には、経営戦略としてコアコンピタンスを設定します。

しかし、事業者が意図したコアコンピタンスが実現し、思惑通りに事業成長を遂げた例がどのくらいあるのでしょうか? 実際には、想定外のポイントに顧客やユーザーが価値を見つけ、事業が飛躍的に伸びる例も多いかもしれません。

コアコンピタンスを評価するのは一般ユーザーですが、専門的な分析は、経営戦略の知識や手法に基づいておこなうといいでしょう。

ビジネスの分析手法については、「SWOT分析」や「PEST分析」など、いろいろな分析手法が確立されています。

分析用のテンプレートも、Web上で誰もが簡単にダウンロードして入手できます。分析方法も丁寧に解説されており、経営学の難しい知識がなくても取り組めます。

まとめ

ここまで、新規事業に必要なコアコンピタンスについて、経営の初心者にもわかりやすいよう解説してきました。

コアコンピタンスとは、その事業の強みである技術力や能力のことです。

ケイパビリティーも、事業の強みとなる技術力や能力を指しますが、コアコンピタンスは、同業他社に負けない競争力という意味で使われる用語です。

社会に大きなインパクトを与えた、多くのIT企業のコアコンピタンスを分析することで、次世代の事業の可能性が見えてきたでしょうか? あなたが立ち上げる新規事業のコアコンピタンスは、どんな価値を生み出しますか?

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