条件分岐に便利なSwiftのSwitch文の使い方まとめ
19/03/03 16:13:20 19/04/08 10:43:06
Switch文はSwiftだけでなく複数のプログラミング言語で用意されている概念です。
条件分岐のコードとしてif文の方が知名度が高いかと思いますが、case文は条件設定を複数行い、指定した条件ごとに処理を記述できるメリットがあります。
if文は基本的に二通りに条件分岐していくので、いっぺんに条件分岐させたいときはcase文が便利です。
目次
case文の基本的な使い方
case文の構文は以下のようになります。
switch 値や式 {
case 値1:
//処理
case 値2:
//処理
case 値3:
//処理
default:
//処理
}
caseごとに値を設定し、その値に合致すると処理が実行されます。
どの値にも合致しない場合、defaultが実行されます。Switch文は他のプログラミング言語にもありますがSwiftのcase文は一点特殊なポイントがあり、それはcase文のなかでbreakする必要がないということです。
プログラミング言語によってはcase文のなかでbreakさせないと以降のbreak文も判定してしまうことになり、最終的にdefaultも実行されます。しかしSwiftの場合case文を一つ実行したら自動的に他のcase文やdefaultは実行せずに抜ける仕様になっています。
次にサンプルコードは以下です。
var score = 70
switch score {
case 100:
print("100です。")
case 70:
print("70です。")
case 40:
print("40です。")
default:
print("その他の値")
}
このコードを実行すると、70です。と出力されます。
また、以下のように変数に数値を足し引きして計算して判定することも可能です。
var score = 70
switch score + 30 {
case 100:
print("100です。")
case 70:
print("70です。")
case 40:
print("40です。")
default:
print("その他の値")
}
このサンプルコードを実行すると、100です。と出力されます。
あえて次のcase文も実行するコード
上で説明した通り、SwiftのSwitch文はbreakしなくてもcase文を実行したら抜けます。
しかし、あえてcase文実行後に他のcase文を実行したい、defaultの処理も行いたい、といった場合もあるでしょう。
そこで使えるコードがfallthroughです。
fallthroughを使用することで、他のプログラミング言語だとbreakを書いていないような状態になります。SwiftのSwitch文の場合初期状態でbreakするようになっており、breakを解除するためにはfallthroughを指定するということです。
サンプルコードは以下になります。
var num = 10
switch num {
case 10:
print("10です。")
num += 10
fallthrough
case 20:
print("20です。")
case 40:
print("40です。")
default:
print("その他の値")
}
上記のコードを実行すると、以下のようにコンソール出力されます。
10です。
20です。
case文のなかで複数の値を指定する
case文は値が一致したら処理を実行するコードですが、一つのcase文のなかで複数の値を指定することが可能です。
そして、そのうちのどれかの値が一致すればcase文のなかの処理が実行されます。サンプルコードは以下です。
let str = "ppap"
switch str {
case "ppap","oppapi":
print(str)
default:
print("その他の値")
}
上記のコードを実行すると、ppapと出力されます。
変数のなかにはppapが入っているのでcase文が実行されて変数が出力されましたが、仮にoppapiが入っていた場合もカンマ区切りで指定しているため同様にcase文が実行され、出力されます。
範囲指定で実行する
case文は特定の値だけでなく、範囲で指定することもできます。
たとえば以下のサンプルコードのようなことです。
let score = 70
switch score {
case (90...100):
print("90-100の範囲")
case (50...89):
print("50-89の範囲")
case (1...49):
print("1-49の範囲")
default:
print("0")
}
このコードを実行すると50-89の範囲と出力されます。
範囲の指定方法は、上記のサンプルコードのように(数値1…数値2)という形式で指定します。
where句での条件式
Switch文の応用的な使い方として、where句を使った方法を紹介します。
とは言ってもcaseの使い方自体は同じなので、そのなかでwhere句指定できるというだけです。SQLなどの経験がある方は直感的にわかるかと思いますが、そうでなくてもなんとなく指定内容はわかるかと思います。
もしもよくわからなければ今回どうしても把握しなければならない内容ではないので、少しずつ理解していけば良いかと思います。上で紹介した基本事項を押さえておけばまずは問題ありません。
let score = (50, 90)
switch score {
case (let mathScore, let engScore) where mathScore >= 80 && engScore >= 80 :
println("優秀!")
case (let mathScore, let engScore) where mathScore < 80 && engScore >= 80 :
println("数学をもっと頑張りましょう.")
println("英語は\(engScore)点")
case (let mathScore, let engScore) where mathScore >= 80 && engScore < 80 :
println("英語をもっと頑張りましょう")
println("数学は\(mathScore)点")
case (let mathScore, let engScore) where mathScore < 80 && engScore < 80:
println("残念")
default:
println("?")
}
このサンプルコードを実行すると、以下のように出力されます。
数学をもっと頑張りましょう
英語は90点
まとめ
以上、SwiftでのSwitch文について解説しました。
他の言語経験のある方は、普通にSwitch文自体は知っているかと思います。SwiftでもSwitch文の書き方はだいたい同じで、注意点としてはbreakがいらない、breakの機能を消すためには別途コードを追記する必要がある、といったことです。
だいたいの場合は一つのcase文を実行したら他のcase文やdefaultは実行しないので、結果的にSwiftのSwitch文はbreakを書かなくて済む分便利な場合が多いでしょう。すべてのcase文にbreakと書くのは案外冗長なので、Swiftは既存のプログラミング言語の反省点が活かされてます。
if文との使い分けは他のプログラミング言語とまったく同じです。
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