SESの精算幅って何?上下割・中央値割・月額固定について!

SES業界に棲む男

【SES営業シリーズ】
1, SESとは?
2, SES営業の流れとコツ
3, SESの精算幅って何?(この記事)
4, 派遣契約と業務委託契約の違い

今回はSES業界で良く使われる用語であり、意味が分かりにくい「精算幅」と、それに付随した「上下割・中央値割・月額固定・超過控除・上限下限」などについて詳しく見ていきたいと思います。

私もこの業界に初めて来たときは、これらの用語の意味が分からず頭の中が「??」になったものです。でも順を追って見ていけばすぐに理解できるはずですよ。

精算幅とは?

SESの業務委託契約では、月間の就業時間に対してある程度の幅を設けて精算(金額の計算)を行ないます。この就業時間の幅のことを「精算幅」と呼びます。

精算幅の種類は案件により様々あります。もっとも一般的な精算幅は「140時間〜180時間」ですが、その他の例も記載しておきます。(案件元の考えひとつで、自由に決めることができるため多種多様です)

▼精算幅の例
・140時間〜180時間
・150時間〜190時間
・140時間〜200時間
・160時間〜200時間(※これらは一例です。)

ちなみに精算幅の「140時間〜180時間」という表記は、「140〜180h」や「140-180h」と書かれることもあります。

また精算幅が「140時間〜180時間」のときの140時間のことを「下限」と呼び、180時間のことを「上限」と呼びます。

▼精算幅の上限下限の例
・140時間〜180時間(下限は140時間、上限は180時間)
・150時間〜190時間(下限は150時間、上限は190時間)
・140時間〜200時間(下限は140時間、上限は200時間)
・160時間〜200時間(下限は160時間、上限は200時間)

超過控除とは?

精算幅が分かったところで、続いて超過控除について説明します。

月の就業時間の合計が、
・精算幅の上限を上回ったとき → 超過精算を行ないます。
・精算幅の下限を下回ったとき → 控除精算を行ないます。

例えば、
精算幅が「140時間〜180時間」のとき、月の就業時間の合計が130時間だった場合は10時間分の控除精算を行なうことになります。

では、この10時間分の控除を行なうとき、「時間単価」はいくらになるのでしょうか?そこで重要なのが「中央値割・上下割」と呼ばれるものです。

時間単価とは?

時間単価とは、1時間あたりの単価のことで、計算の仕方は2通りです。

・中央値割(読み:ちゅうおうち-わり)
・上下割 (読み:じょうげ-わり)

ではそれぞれ見ていきましょう。

中央値割とは?

中央値割とは、精算幅の中央値で月単価を割って、1時間あたりの単価(時間単価)を算出する方法です。分かりにくいので例を記載します。

▼中央値割の時間単価の算出例
・月単価:60万円
・精算幅:140時間〜180時間
・中央値:160時間(140時間と180時間の中央値<真ん中>は「160時間」です)
→上記を踏まえて、時間単価の計算式は、
「60万円÷160時間=3,750円」です。
よって、時間単価は3,750円となります。

こうして時間単価が算出されたら、超過精算・控除精算をすることができます。

▼控除の精算例
・月単価60万円(140-180h 中央値割)/時間単価 3,750円
・月の就業時間の合計:130時間
→上記を踏まえて、控除精算の計算式は、
「60万円-(3,750円×10時間)=562,500円」です。
よって、10時間分の控除を行なった結果、562,500円となります。

上記は下限140hを下回った場合の控除精算例でしたが、上限180hを超えた場合の超過精算も、時間単価は同じです。

上下割とは?

一方、上下割は超過時と控除時で時間単価が異なります。

・超過時:精算幅の上限で月単価を割って、1時間あたりの単価(時間単価)を算出します。

・控除時:精算幅の下限で月単価を割って、1時間あたりの単価(時間単価)を算出します。

これも分かりづらいので、例を見ていきましょう。

▼上下割の時間単価の算出例(超過時)
・月単価:60万円
・精算幅:140時間〜180時間
・超過時:上限の180時間を使用します。
→上記を踏まえて、超過時の時間単価の計算式は、
「60万円÷180時間=3,333円」です。
よって、時間単価は3,333円となります。

▼上下割の時間単価の算出例(控除時)
・月単価:60万円
・精算幅:140時間〜180時間
・控除時:下限の140時間を使用します。
→上記を踏まえて、控除時の時間単価の計算式は、
「60万円÷140時間=4,280円」です。
よって、時間単価は4,280円となります。

▼上下割の時間単価例 まとめ
・月単価60万円(140-180h 上下割)
・超過単価:3,333円
・控除単価:4,280円

ここまで精算幅が「140時間〜180時間」の例を見てきました。

でももし精算幅が「150時間〜190時間」の場合は、
超過単価は「月単価÷190時間」ですし、
控除単価は「月単価÷150時間」となります。

月額固定とは?

ここまで精算幅と、超過控除の計算方法を見てきましたが、そのような計算を一切行なわないものもあります。

それが「月額固定」と呼ばれるもので、月の就業時間が何時間であっても就き単価は一律固定で変動しません。

中央値割・上下割・月額固定のどれが一番お得?

この中で、エンジニアにもっとも好まれるのは「中央値割」です。

例えば、月単価が60万円の場合の、中央値割と上下割の時間単価を並べてみると下記の通りです。

▼中央値割の場合
・月単価60万円(140-180h 中央値割)
・超過単価:3,750円
・控除単価:3,750円

▼上下割の場合
・月単価60万円(140-180h 上下割)
・超過単価:3,333円
・控除単価:4,280円

見比べてみると、
超過した場合に得なのは、単価の高い中央値割の方です。
控除した場合も得なのは、単価の安い中央値割の方です。

つまり同じ月単価の場合、
超過時も控除時も中央値割の方がお得ということが分かります。

であれば、どんな時も中央値割が一番お得で良いかというと、そうでもありません。中には月額固定が良い場合もあります。

月額固定が得な場合とは?

月額固定だと、月の就業時間が何時間であっても金額の変動はありません。これは残業が多い現場だと不利ですが、月の労働時間が少ない場合でも減らされないので有利にもなります。

例えば、年末年始やGWの時期など。この時期は予め定められたお休みが多く、平日すべて働いたとしても月の就業時間が140時間に満たないことがあります。

そういう時も、中央値割や上下割の場合は一律に控除精算を行なうため、月単価が目減りしてしまうのですが、月額固定の場合は金額の変動無く満額もらうことができます。

ただ、いくら月額固定とはいえ、体調不良などで月の労働時間が明らかに少ない場合は、何らかのペナルティで減額されることもあるので注意が必要です。

また、残業がやたら多い現場では、中央値割や上下割の場合は超過精算で増額されるところを、月額固定だと一切増額されないため、損をすることになります。

結局どれが一番お得なの?

ここまで詳しく見てきましたが、結論として「中央値割・上下割・月額固定のどれが一番得か?」という質問に対する答えとしては、ケースバイケースと言えます。

ただもし、はじめから残業が多くて上限を必ず超える現場だと分かっているなら、超過時の時間単価がもっとも高くなる「中央値割」が一番お得です。

そしてもし、はじめから残業が全くない現場だと分かっているなら、下限という概念がなく、控除されることのない「月額固定」が一番お得です。

まとめ

ここまで「精算幅・上下割・中央値割・月額固定・超過控除・上限下限」といったキーワードの説明をしてきましたが、いかがだったでしょうか?

非常に分かりづらく、SES業界に入りたての方にとっては最初の壁になる部分かと思います。

もっとも慣れてしまえば、実は簡単に算出できるものでもありますので、これを機に身につけてしまいましょう!

 

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