SES業界に10年以上いると奇特な人扱いされるんですが・・・

18/12/12 21:51:52     19/12/15 13:19:56

SES業界に棲む男

【SES営業シリーズ】
1, SESとは?(この記事)
2, SES営業の流れとコツ
3, SESの精算幅って何?
4, 派遣契約と業務委託契約の違い

 

はじめまして。
今回がSES営業シリーズ初の記事になります。

全くの他業種から転職し、SES業界に飛び込んでからというもの、早10数年になります。この業界の構造上、人が辞めやすいと言われて久しいわけですが、10年以上いると自動的に奇特な人扱いされることも多いわけで、それはなんだか悲しいなと。

そこで、ここでは少しでもこのSES業界の定着率を上げるべく、自分が経験してきたあれこれを書いていきたいと思います。

では、突っ込んだ話をする前に・・・

そもそもSESってなに?

そう、そもそもSESとは何なのかという点をしっかり説明しておきたいと思います。

SESとは、
「(S)システム・(E)エンジニアリング・(S)サービス」のことです。

この頭文字を取って、一般的に「(SES)エス・イー・エス」と呼ばれます。

ではSESはどういうものかというと、簡単に言えば「システム開発したい企業」に対して「システム開発力(人材)」を提供するお仕事です。

では、「システム開発力(人材)の提供」とはどのように行なわれるのか?を具体的に見ていきましょう。

システム開発力(人材)の提供の仕組み

これは、大きく分けると2つのやり方があります。

  1. 自社の人材を提供する
  2. 他社の人材を提供する

では、それぞれ見ていきましょう

自社の人材を提供する

ひとことで「自社の人材」と言っても、次の3つの種類があります。

  • 自社の正社員
  • 自社の契約社員
  • 自社に登録した個人事業主(フリーランス)

SESでは、上記の3つの人材のいずれかを、「システム開発したい企業」に対して提供します。

他社の人材を提供する

自社に提供する人材がいない場合、他社からその人材を借り受ける方法があります。

個人的には、管理の徹底や連携の向上の為に自社の人材を提供したいところですが、そうも言っていられないくらい人不足なのがこのSES業界の常です。

また、会社によっては戦略的に「他社の人材だけを紹介する」という選択をした企業もあります。他社の人材であってもしっかり管理できている企業も(多分)ありますから、そこに明確な良し悪しはないものと思います。この辺は好みの問題もあるかもしれませんね。

プログラマーの指

人材を提供するときの契約方法は?

人材の提供の際、本来SESでは「業務委託契約(準委任契約)」を結ぶことになりますが、受け入れ側の企業の意向から「派遣契約」を結ぶケースも増えてきています。(特に大手にその傾向が顕著です。)

尚、どうして大手は派遣契約を選びたがるのかというと、その理由はいくつかありますが主なものとして「指揮命令権がどこにあるのか」という点があります。(このテーマもかなり深掘りできるため、またの機会にお伝えできればと思います)

ちなみに、SESで人材の提供をする場合に「請負契約」を選ぶことはできません。念の為、間違えやすい業務委託契約・派遣契約、そして請負契約の違いを以下にまとめてみました。(簡易)

契約名 目的 指揮命令権
業務委託契約
(準委任契約)
業務の遂行
(成果物:作業報告書)
人材の提供側にあります。
派遣契約 業務の遂行
(成果物:作業報告書)
人材の受入側にあります。
請負契約
(SESでは扱われません)
業務の完遂
(成果物:ソースコード、システムそのもの)
請け負った者(会社)にあります。

SES業界のプログラマー

SESの売上の仕組み

では続いて、
どうやってSESが売上を上げているのか、仕組みについて説明します。

と、言ってもこれはとてもシンプルです。

「システム開発したい企業」から受け取る報酬と、「システム開発力(人材)」への報酬の、その差額がそのままSESの売上となります。いわゆるマージンですね。

この差額は、人材がアサインし続ける間、毎月発生することになります。SESにおけるこの売上の様は「座布団式」と言われることもあります。一過性で、単月で終わってしまうのではなく、まるで座布団を積み上げるように売上が上がる様を指して「座布団式」と言われるようです。座布団だなんて、なんだか笑点のようですね。

ただこの座布団、崩れやすいことも多々ありまして、一度積み上げたからと言って決して安泰というわけでもないのです。・・あ、その辺も笑点と似ているかもしれませんね。

SES営業は長続きしない?

この業界に10年以上もいると、奇特な目で見られるという話をしました。

実際、この業界の平均在籍年数は2年以下、いや体感的には1年以下だと思われます。未経験でも求人が溢れているSES業界ではありますが、驚くほどあっという間に辞めていく業界でもあります。

ではなぜ、そんなに人が辞めてしまうのでしょう?個々に理由はあると思いますが、よく聞く三大巨塔は次の理由です。

  1. SES営業は儲からない(決まらない)
  2. SES営業はつまらない
  3. SES営業はつらい

この3つは本当に良く聞きます。では実際はどうなのでしょう。本当に儲からない(決まらない)し、つまらないし、つらいんでしょうか?

答えは否!・・もしそうなら自分も早々にこの業界辞めてます。

ではどうして3つの声が、SES業界に長く響き渡っているのか?自分なりに考察してみました。

SES営業は本当に儲からない(決まらない)?つまらない?つらい?

単刀直入に言ってしまいます。

それは、SES営業として勉強不足だから!です。

長年この業界に籍を置いて思うこと、それは営業が驚くほど知識不足だということです。これには業界の構造も影響してまして、始めたばかりの初心者営業であっても「他の業界より決まりやすい」のが悪影響を与えているのではないかと思うのです。

正直言ってSES営業は簡単です。他の業界の営業をしてみるとこれを痛感すると思います。もちろんSES営業ならではの大変さはありますし、異論は大いに認めるところですが、そもそもこの業界の構造は「圧倒的な人手不足の市場で、人材を紹介する」というものですから、何も分からずに始めた人でも、たまたま決まるという頻度が非常に高いのです。いわゆるビギナーズラックです。

ただ、ビギナーが成長しないまま決め続けられるほどチョロい業界でもありません。しっかり見極めを行なったマッチングでなければ、決まってもすぐ契約終了に陥りますし、コンスタントに決め続けることもできません。

こうして、SES業界の新参者たちが、「この業界は決まらない!儲からない!年収が上がらない!辞めたい!」と言っては去っていくという負のサイクルが、この10数年続いているように思います。

・・と、最後の方はボヤキのようになってしまいましたが、今回はSESとは?そしてSES営業とは?というテーマでお送りしました。何かの足しにしていただければ幸いです。

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