SES営業の流れをすべてお教えします(そしてコツも)
18/12/16 20:57:07 19/12/15 13:19:31
【SES営業シリーズ】
1, SESとは?
2, SES営業の流れとコツ(この記事)
3, SESの精算幅って何?
4, 派遣契約と業務委託契約の違い
これからSES営業をはじめる方の参考になればと思い、ここではSES営業の流れと、それぞれのコツを書いていきたいと思います。
目次
SES営業の流れ
それでは早速ですが、SES営業の流れを順番に書き出してみます。
- 人材を集める
- 自社で人材を集める
- SES企業(ビジネスパートナー=BP)から人材を集める
- 人材を提案する
- 自社開発を行なっている企業に提案する
- SES企業を通して提案する
- 面談を実施する
- 契約を締結する
SES営業は、ざっとこんな流れで行なわれます。
では続いて一つ一つ見ていきましょう。
人材を集める
SES営業は、兎にも角にも提案する人材がいなければ話が始まりません。そして人材を集めるためには大きく分けて「自力」か「他力」の2つの方法があります。ではそれぞれ見ていきましょう。
自社で人材を集める
これが「自力」です。人を集める方法はいくつかあります。
広告媒体を使う
自社に人を集める方法として、一般的な方法は媒体に広告を出すことでしょう。例えばリクナビやマイナビなどの大手採用媒体に広告を出して、エンジニアを正社員として採用する方法がポピュラーです。正社員ではなく、契約社員や個人事業主(フリーランス)として採用することもあります。
広告媒体は多様化していて選ぶのも大変です。また媒体へ出す費用も高いので、SESをはじめたばかりの会社だと負担も大きいものです。その中で、最近同業界の採用周りでよく聞くのは比較的安価なWantedlyやIndeed、そして成果報酬型のGreenでしょうか。これらの求人サービスはなかなか評判も良いです。
自社サイトを使う
自社コーポレートサイトの求人ページを作って、そこから流入した人を採用する方法があります。ただ、そう簡単に検索順位を上げることは難しいので、Facebook広告やgoogleのアドセンス広告を使って自社サイトへ流入させるという方法もあります。資金に余裕がある場合は、自社でSES専用のサイトを作って主に個人事業主(フリーランス)のエンジニアに登録してもらうという方法もあります。
知り合いのツテを使う
昔からある手法ではありますが、知人や社員に紹介してもらって採用を行なう方法です。近年では「リファラル(referral)採用」という名前で積極的にこれを行なう企業が増えています。ちなみにリファラル(referral)の意味は「紹介・推薦」です。場合によっては、紹介してくれた方に対してインセンティブ(紹介料)を支払うケースも多いです。
イベントを開催する
人件費や開催場所などの費用がかかりますし、集客のための手法も様々あることから、資金やノウハウがないとなかなか難しい方法ですが、効果は非常に高いです。内容としては、勉強会や何がしかの一線級の方によるライトニングトークなど、エンジニアにとって有意義なものであれば何でも良いです。
SES企業(ビジネスパートナー)から人材を集める
こちらが他力で人を集める方法です。自力の方法がいくつかあったのと違い、こちらの方法は「SES企業(ビジネスパートナー)から人材を集める」の一つだけです。ビジネスパートナーのことを略してBP(ビーピー)と呼ぶことが多いです。
SES業界にはSESを行なう企業がたくさん有ります。それらの企業と協力関係を結び人材を提供してもらうことが、人材を集めるのに一番手っ取り早い方法です。ではどうやってSES企業の協力を得ることができるのか、一つずつ見ていきましょう。
テレアポをする
これが一番ポピュラーな方法です。ネットで「SES企業」や「SI企業」や「システム開発」などのキーワードで検索してHPを探し、電話して協力関係を結ぶことを依頼します。その後、日程を決めて訪問を行い、協力関係を結びます。
テレアポと聞くとなかなか約束を取り付けづらいと感じるかもしれません。でも、このSES業界のテレアポは、他の業界と比べて非常に簡単に訪問することができます。なぜなら、SES企業にとってパートナー企業を増やすことはメリットでしかないからです。
メールをする
テレアポするよりも手間がかかりますし、訪問の約束を取り付けられる確率も下がる傾向があるのであまりオススメしません。
ただ、会社によってはこの手法を好むこともあります。電話で直接断られるよりメールなら無視されるだけで精神的ショックが少ないからでしょうか?もしあなたがSES営業をはじめるなら、メールよりも圧倒的にテレアポをオススメします。
交流会に参加する
SES業界では頻繁に交流会が行なわれています。そこに参加し、名刺を交換することでパートナー企業を増やします。一度の交流会で複数社と面識を持つことができるため、非常に効率が良い方法です。
またSES業界だけの交流会ではなく、多業種が集まる交流会にもSES企業やシステム開発をしたい企業が含まれているケースが有ります。そういう交流会だとパートナーを増やすという観点では効率が下がりますが、他の業種の方々と知り合うことで見識が高まることもありますので、たまに参加してみても良いかも知れません。
人材を提案する
人材が集まったら、今度は人材を提案します。人材の提案先としては「エンド企業」と「SIer企業」と「SES企業(BP企業)」の3種類です。
エンド企業に提案する
この「エンド企業」とは、SES業界でよく言われる言葉です。意味としては、「自社で開発を行なっていて開発力(人材)を求めている企業」のことです。
例があった方が分かりやすいと思うので具体的な名称で言うと、NTTやKDDIにYahooやリクルートや楽天にサイバーエージェントなどなど、挙げればキリがないですが、SES業界におらずとも名を知っているような企業がエンド企業と呼ばれます。
こういった企業とコンタクトを取り、直接の取引を行なうことができるようになって人材を提案できるようになればなるほど、売上を上げやすくなります。コンタクトを取る方法としては、前述したパートナー企業を増やす方法と全く同じで、テレアポやメールや交流会などがあります。
SIer企業に提案する
「SIer」は「エスアイアー」と発音します。そしてSIer企業とは、エンド企業から開発・運用・保守までを請け負って行なう企業のことです。
先ほどエンド企業として例を上げたNTTなどは、基本的に直接の取引を行なうことができませんので、NTTから開発を請け負ったSIer企業に対して人材を提案することになります。
SES企業(BP企業)に提案する
SES業界で最も簡単な提案先はSES企業です。ビジネスパートナーとなったSES企業(BP企業)を通して、エンド企業やSIer企業の開発現場へ人材を提案します。
ここで気づく方もいるかと思いますが、SESをはじめたばかりの時期は何をおいてもパートナーとなるSES企業を増やすことが最優先です。なぜならパートナーとなるSES企業を増やすことは、人材を集めることでもあり人材を提案する先を増やすことでもあるからです。これだけで、SES事業として売上を立てることができます。
もっとも、SES企業を通して人材を提案するよりも、直接エンド企業に対して提案した方が、成約する確率が高まります。理由は簡単で、一社挟まって提供された人材よりも直接抱えている人材の方が管理面でしっかりしていますし、単価においても一社挟まった方が高くなるに決まっています。つまりエンド企業にとって、一社挟むメリットは何も無いのです。
ただ、厳密に言えば、人を集めることが困難なこの業界で、一社先でも良いから人が集まるのであれば、その集まるという一点のみメリットではあります。そしてそのメリットが非常に大きいため、一社挟むことが未だに許容されているとも言えます。企業(案件)によっては、一社先にとどまらず、二社先・三社先でも就業に至ったケースがあります。
面談を実施する
人材を提案すると、需要があれば面談を希望する連絡が返ってきます。需要に対して適切な人材を提案すればするほど、面談の依頼が来る確率は高まります。
面談の依頼が来たら、人材と企業側の日程の都合を合わせて面談日を調整します。この面談でオファーを貰えれば、最後に契約の締結へ進むことになります。
尚、この面談は1回で終わることもあれば、2回行なわれることもあります。私がこの業界にはじめて足を踏み入れた十数年前には3回行なうケースもありましたが、近年ではどれだけ多くとも2回で、できる限り1回で終えるようにしている節があります。
理由は簡単で、回数が多い案件を人材が嫌がるからです。人材不足のこの業界で、人材に嫌がられてしまうとそもそも人が集まらないので、できるだけ面談回数は減らすようにしているのです。
余談ですが、スキルや適性を見極めたい企業側としては回数は多い方が良いので、もし今後人材不足が解消されるようなら、それに比例して面談回数が増えていくかもしれませんね。
契約を締結する
面談を終えてオファーを貰い、人材側の承諾が得られれば、晴れて契約の締結へと進みます。この締結が済めば、無事SES営業として一つの成果を上げたことになります。
新人がよくやるミスとしては、契約を締結する際に「確定した」と思い込んでしまうことです。このミスを避けるために、企業側と人材側の両方からのエビデンスを残すことが重要です。
また余談ですが「エビデンス」とは「証拠」という意味で、SES業界におけるエビデンスとは基本的にメールで企業側の注文意思や人材側の就業意思を形に残すことを指します。ちなみに十数年前には普通に「証拠残そう」と言っていたのが、いつからか「エビデンス残そう」と言い始め、今では定着した感があります。
はじめて契約を締結する際、交わす契約書はいくつかあります。具体的には下記の通りです。
- 業務委託基本契約書
- 機密保持契約書(NDA)
- 個別契約書(注文書・注文請書)
契約を締結する際、この一つでも欠けてはいけません。
まとめ
今回ははじめてSES業界に来た新人でも分かるように、SES営業の流れとコツをまとめてみました。とにかく始めはSES企業のパートナーを出来るだけたくさん作る!これに尽きます。
まずはテレアポ、テレアポ、テレアポ。新人はこれの繰り返しからはじめて、徐々に業界の知識を増やしていくことが、遠回りのように見えて実は最短の成果を上げる方法です。
【SES営業シリーズ】
1, SESとは?
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