フリーランスエンジニアが損しないための交通費の計上方法
18/05/13 14:41:00 18/05/20 15:10:44
目次
気になる交通費の計上方法
フリーランスエンジニアには、いろいろな働き方があります。在宅やノマドで働くエンジニアもいれば、オフィスや開発現場に通っているエンジニアもいることでしょう。そして、特に仕事場に通っているフリーランスエンジニアにとって絶対に考えなければならないのが「交通費の計上方法」です。
在宅やノマドなら交通費を経費計上してもしなくてもあまり税額は変わらないかもしれませんが、外で働くフリーランスエンジニアはなるべくお得に交通費を経費計上したいところです。
そこでこのページでは、フリーランスエンジニアが交通費として経費計上できるもの、具体的な計上方法、計上する際の注意点やコツなどについて紹介していきます。
まずは交通費に計上できるものを紹介!
フリーランスエンジニアが交通費を計上するには、仕事に関する移動費である必要があります。打ち合わせ、客先での作業といった明確な仕事に関する目的があっての移動費であれば、交通費として認められます。
逆に、仕事に関係ない交通費は費用として計上することができません。交通費に限った話ではありませんが、税務署としても「仕事のための出費である」という納得感が欲しいのです。
交通費を含めて、経費計上できるかどうかの判断は案外税務署の裁量によります。そのため、「交通費を計上するためのルールを理解する」「税務署が納得する理由を提示する」という2点が重要です。
具体的に「旅費交通費」として経費計上できるものは、以下が挙げられます。
- 電車代
- バス代
- タクシー代
- 航空運賃
- 駐車場代(駐車は移動ではないが、交通の一環なので交通費として計上できる)
- 出張宿泊費(移動に伴う宿泊費も交通費として計上できる)
- 運行代行料
- ガソリン代
- 回数券代
- 特急券代
- フェリー代
- レンタカー代
- 有料道路代
これでだいたいは網羅しているかと思いますが、もしかするともっと特殊な手段で移動している方もいるかもしれません。その場合、その移動手段が交通費として経費計上できるかどうか次の点で確認してみてください。
★基本的には仕事のための移動であれば交通費計上できます
ですが、例外的に認められない場合もあります。たとえば、毎回グリーン車で移動する、超高級ホテルに宿泊する、といったことを行うと、交通費として認められないかもしれません。
税務署もおかしな点を指摘する義務があるので、明らかに業務に必要な分以上の出費があれば、交通費として計上できるかどうかの審査が入ります。また、当然ながらカラ出張のように使ってもいない交通費を計上するのは不正です。
他には、旅行先でノマドワークをやったとしても、明らかにプライベートの割合が高い場合経費として認められない可能性が高いでしょう。仕事メインで、仕事のための交通費であることが基本条件です。
交通費の具体的な計上方法や確定申告に向けて必要なもの
以上を踏まえ、交通費を計上する際に必要なものは以下の3つです。
- 領収書、レシート
- 出金伝票(市販のものを購入し、支払い相手先名、日付、金額を記載。)
- 帳簿(手書き、パソコン、第三者への依頼。)
フリーランスが経費計上するに当たって、上記の書類が必要になることは一般的に認知されています。しかし、確定申告をやったことがある方なら把握しているかと思いますがこれらの書類を税務署に提出するわけではありません。
確定申告を経験するまでは、案外上記の書類を提出すると勘違いされているかもしれません。提出するのではなく、上記の書類を元に確定申告書類を作成します。つまり、最終的に経費を記載して提出するのは別の確定申告書類になります。
厳密には白色申告と青色申告で確定申告で経費を書き込む書類が変わってきます。ではなぜ上記の3点が必要になるのかというと、この3点を元に確定申告書類を作成する、「税務調査の際の証明書類」という役割があるからです。
特に税務調査のために準備しておくという役割が大きく、一定年数保管義務があります。
交通費を計上する際の注意点やコツ
旅費交通費として計上できるものや、確定申告に備えてどのように扱えば良いのかということを紹介してきました。旅費交通費についてや、用意した書類の役割に関してはだいたいお分かりいただけたかと思います。
次に、交通費を計上する上での注意点やコツについて紹介していきます。上で紹介した内容と少し被るところもありますが、改めて網羅的にまとめておきます。
- レシートや領収書をなくさない。(月ごとにまとめておく方法が一般的)
- 領収書の裏や貼り付ける台紙に品目(電車代、タクシー代、など)を書くと便利。
- 領収書がない場合出金伝票を作成。(支払った日時、金額、目的地、行った目的、などを記載)
- 多くの交通系ICカードは券売機で利用履歴を印刷できるので、印刷しておくと経費計上しやすい。(領収書同様信用力が高い)
- 基本的にクレジットカード明細は交通費の証明にならない。(クレジットカード会社が発行しているだけで、交通機関等が発行したものではないから)
- 領収書が発行できない機関は経費として認められる可能性が高いが、単なるもらい忘れは認められない場合もある。(この辺は税務署判断)
- 所得に対して経費が多すぎると税務署のチェックが厳しくなりがち。
- 年収1000万円を境に、税務調査が厳しくなるという噂がある。
以上が交通費を計上する上での注意点やコツになります。基本的に確定申告までに用意しておく領収書、出金伝票、帳簿などは自分が確定申告書類を作成する際に見ながら作るものですが、税務署に提出しなくても保管しておく義務があります。
特に比較的多く経費を計上する、年収が1000万円を超えている、といった条件に当てはまる方は税務調査に入られる可能性が高くなります。税務調査に入られた際、万が一領収書等に不備があると、経費として認められなくなります。
足りない領収書や出金伝票の分だけ経費計上できないだけなら良いのですが、どこかに不備があると全体的に税務署の目は厳しくなります。「領収書、出金伝票、帳簿に不備がある人は、全体的にいい加減なんじゃないの?本来経費にできないものまで経費に入れてるんじゃないの?」という目で税務署の担当職員から見られるからです。
税務署担当職員の裁量
確定申告を含む税金制度に関しては、ある程度ルールがしっかりしています。基本的には法律に基づいて適正な徴税が行われるのですが、「意外と裁量による」部分も大きいのです。特にフリーランスの確定申告は経費とそうでないものの線引きが難しく、税務署の担当職員の裁量による部分が大きいです。
領収書等含め、書類をきちんと作成してきっちり準備しているフリーランスに対しては、税務署も「この人はきちんとしているから経費にできないものを適当に経費に入れたりはしていないだろう。」という推測が働きます。
本来このような形で差別してはいないのですが、税務署の担当職員も人間である以上主観的に判断する面は当然あります。また、上述の通り法律ですべて線引きできるわけではないので、主観的に判断せざるを得ない部分もあるのです。
こういった事情から、確定申告の際にはルールをしっかり把握しておくことだけでなく、「税務署職員からの印象」に関しても注意しておくと良いですね。たとえば、書類を丁寧に作成し、ミスないようにする、職員とやり取りする際には誠実な対応を心掛ける、といったことが重要です。
逆に、提出書類が折れ曲がっていて汚かったり、横柄な態度を取っていると、経費計上に関してもいい加減なのではないかと思われてしまいます。また本来は良くないのですが、単純に税務署職員から嫌われてチェックが厳しくなることも考えられます。
ルールと印象に注意し、お得に経費計上しましょう!
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