個人事業主やフリーランスでも労災保険は使える?労災保険特別加入制度についてまとめてみた

18/08/15 12:08:38     19/04/07 22:28:11

労災保険を申請する人
会社員は労災保険に加入しているのが一般的で、たとえば仕事中や通勤中にケガをしたり死亡すると、金銭的な保障がされます。しかし、組織に所属せずに一人で活動している個人事業主、フリーランスは勝手に労災保険が付与されることはありません。

そうはいってもフリーランスにも家族がいる場合があり、またケガで働けなくなれば自分も金銭的に困るかもしれません。契約によっては、ケガによって履行できなくなった場合も違約金を支払わなければならないかもしれません。

個人事業主、フリーランスは労災保険に加入していない場合がほとんどですが、会社員よりもむしろ自分が働けなくなった場合のリスクは大きいのです。他の社員がカバーしてくれることも、働けない間も給与が保障されることはありません。

そこで個人事業主、フリーランスも労災保険の保障を受けられると安心なのですが、そのようなことは可能なのでしょうか。このページでは、個人事業主、フリーランスの労災保険である労災保険特別加入制度について解説します。

労災保険特別加入制度とは

労災保険特別加入制度とは、個人事業主が特別に労災保険に加入するための制度です。つまり、個人事業主も労災保険に加入することができます。ただし加入が認められるためには一定の条件を満たす必要があり、具体的には以下のような条件になります。

  • 自動車等を使って移動する。(仕事中だけでなく通勤も含む)
  • 土木、漁船、建築、解体、などケガや死亡のリスクが比較的高い職業。
  • 医薬品を取り扱う事業。

すべての条件を満たす必要はないのですが、上記のような条件を満たす事業の方が労災保険特別加入制度の対象となりやすいです。実際審査に通るかどうかは申請してみないとわからないのですが、危険度の高い職業の方が審査通過率が高いです。

在宅ワーカーも加入できる?

労災保険特別加入制度の審査に通りやすい個人事業主については上記の通りです。しかし、在宅ワークをしている個人事業主の多くは上記の基準には当てはまらないかと思います。家が職場なら通勤は不要で、そもそも自動車を所有していない人もいるかもしれません。

また、土木や漁業などよりも、ライターやエンジニアの個人事業主の方が人口は多いかと思いますが、残念ながら労災保険の基準からは遠そうです。そして、医薬品を扱うような危険もない方が多いでしょう。

つまり、在宅ワークの個人事業主は労災保険特別加入制度の条件に当てはまらないことが多いのでしょう。ではどうなのでしょうか?結論的には、審査に通りにくいです。労災保険は業務や通勤中のケガや死亡事故を保障するための制度なので、在宅でケガのリスクが少ない業種なら保障する必要がないという考え方になります。

ただし、最近は労災保険の対象も肉体的なケガだけでなく精神的な病気にも向けられつつあります。精神的な病気が保障の対象であれば、業種に関わらず保障が必要になってきます。

在宅ワーカーにも当然精神的な病気のリスクはあるので、今後保障対象になっていくと予想されます。

病院

フリーランスへの保障は年々手厚くなっている

上記の通り、残念ながら在宅を中心とするフリーランスには労災保険特別加入制度が認められない可能性が高いということでした。しかし、国を挙げてフリーランスを応援する制度が充実しつつあります。

理由としては、

・臨機応変に動きやすいフリーランスを応援することで日本経済全体が活性化しやすい

・女性の社会進出が進みやすい、といったものです。

在宅ワークなら主婦のように仕事以外の家庭の仕事と両立しなければならない状況でも働きやすいですし、男性でも家族との時間を大切にしつつ仕事にも打ち込みやすくなります。

通勤電車は人の生産性を下げる

また、在宅ワークは個々人が仕事を効率化しやすく、なおかつ無駄な通勤時間等が発生しません。特に東京では日々満員電車に揺られて長距離通勤する人が多く、その結果遅延や事故も多い状況です。

人口密度が高い地域に人々が毎日通勤することで、多くの人の時間と労力が無駄になってしまっているのです。他にも、会社員のストレスの原因の多くは人間関係と言われます。日本では、本業ではなく職場の人との関係を考えることに多くの時間と労力をつぎ込み、しかも潰れてしまう人が多いわけです。

これらの事情を総合的に勘案し、日本では国を挙げてフリーランスを応援するようになっています。フリーランスが増えれば精神的な面でも物理的な面でも業務が効率化されることが明白です。

日本と世界のフリーランス人口は?

世界的にフリーランス人口は増えていますが、そのなかでは比較的日本は遅れています。しかし、本業以外の人間関係に多くの時間や労力を割かれて結果的に潰れる人が多い日本でこそ、フリーランス化の推進は国の経済を大きく発展させると考えられます。

労災保険もフリーランスの活動を支える上で重要な制度なので、今のまま放置されるとは考えにくいです。今後どのような業態のフリーランスも労災保険特別加入制度を利用しやすくなると考えられますが、現状ではどうしても不安定な状態にはなります。

特に不労所得ではなく受託しているタイプのフリーランスは仕事ができない状態になると収入が止まるだけでなく、信用も失ってしまうかもしれません。納期を守れないフリーランスは仕事をもらえなくなるので、まさに自分自身が唯一無二の資本となります。

現状保障がない状態なので、心身ともに仕事ができるよう健康をキープする施策を自分で行う必要があります。個人的には、運動不足解消やメンタル強化にもつながる筋トレがおすすめです。

ランニングマシーン

フリーランスは体調管理が最重要

フリーランスで一番重要なことは、タスク管理でもスキルでもなく体調管理だと言っている人は多いです。というのも、フリーランスで働きながら腰痛、頭痛、精神疾患、風邪、といった事情で仕事に集中できなくなり、苦労した経験を持つ人が多いからです。

一時的に収入がなくなるだけでなく、取引が停止した結果復帰後の仕事も保障されません。働けないことへの焦りからさらなる体調不良を招く可能性もあるでしょう。こういった事情から、フリーランスにとって体調管理が最重要なのです。

今後労災保険等が充実していけば状況も変わってくるのかもしれませんが、現段階では自分で健康管理に注意するしかありません。私自身大きな体調不良を経験したことはありませんが、やはり健康管理には注意しています。

定期的な運動や生活習慣は大事

会社員時代は運動不足、喫煙、食生活の偏り、といった問題から健康診断に引っかかるようなこともあったのですが、フリーランスになってからは禁煙、食生活の改善、筋力トレーニングに努めています。

特に人間の体は筋肉から衰えていき、筋力低下は肉体的な健康はもちろん精神面で大きなマイナスの影響があります。詳細は割愛しますが、筋肉を鍛えることで脳内の神経伝達物質に影響があるので、集中力アップにも役立ちます。

私は1年半ほどで15kg程度筋肉で増量することに成功したのですが、周囲からは「なぜそこまで鍛えるのか」と聞かれることが多いです。その答えとしては、フリーランスは体調管理が必須で、体調を崩した際の影響が大きすぎるからです。

現代社会において、肉体労働者以外の人は日常で筋肉を直接的に使う機会は少ないのですが、健康への効果が大きいということでした。とりあえず労災保険特別加入制度が今より充実するまでは、運動を心掛けて体調を崩さないように注意が必要です。

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