フリーランスで確定申告しないとどうなるか税理士さんに聞いてみた
18/08/13 15:27:53 19/05/04 17:01:01
フリーランスなら、誰でも一度は考えたことがあるであろう
「フリーランスで確定申告しないとどうなるの?」
という疑問。
この記事を書くにあたり調べていくと、無申告の代償はあまりにも大きいことが分かりました。
目次
税務署は所得に関する情報をキャッチアップできる
実は税務署は、所得に関する情報をキャッチアップできるのだそうです。あなたの顧客のA社があなたに報酬を支払ったことが分かったら、今度はあなたがその報酬を申告しているのか調べます。
私にもこれに似た体験があります。年間16万という報酬を頂いたのですが、源泉徴収されていたことと、税理士の叔父から「20万以下の報酬は申告しなくてよい」と聞き、わざわざ申告はしませんでした。
すると市税事務所から、この報酬を申告する必要があると勧告を受けたのです。マイナンバー制度導入効果なのか、まさか市税から報酬の申告をつつかれるとは思いませんでした。結局確定申告し、所得税と市税を追加で支払いました。
必要があるのに確定申告をしていないのを税務署が見つけた場合は、税務調査が入りそれ相応のペナルティが課せられることになります。これは是非とも避けたいものです。
ペナルティが100万円以上になることも
無申告だった場合の恐ろしいペナルティとはどのようなものでしょうか。
「税務調査が来てしまう!税理士が見たフリーランスの惜しい確定申告ミスTOP3」
から、ペナルティの4つのパターンを抜粋してみましょう。
脱税した場合
はじめから税金をごまかす意思があった場合、重加算税が課せられます。
通常支払うべき税金に加え、税額の約35%ほどのペナルティが加算されます。
最悪の状況の場合、
脱税額+重課税+過少申告加算税+・・・
というように加算されていき、最終的に税額の50~100%近くの税金が課せられる場合も。
無申告だった場合
確定申告をしていない場合は、原則として納付すべき税額による無申告加算税が課せられます。
- ~50万円:15%
- 50万円~:上の金額+50万円を超える部分の20%の金額
過小申告した場合
申告はしているものの金額が少なかった場合は、過小申告加算税が課せられます。これは税額の約10%ほどのペナルティになります。
確定申告の期限を超えてしまった場合
申告はするものの、確定申告の期限を超えてしまった場合には延滞税が課せられます。(最大で年14.6%)
記事によると、フリーランスが犯しやすい申告の過ちは無申告だそうです。
「忘れてしまった」「知らなかった」「忙しかった」など、どんな理由も分かりますが、いかなる理由でも無申告となりペナルティが発生します。(しかし病気だった場合と海外にいて申告できなかった場合のみ、医師の診断書やパスポートの提出でペナルティを免れることができます。)
最も怖いのは、何年も確定申告をしていなかった人だそうです。
この場合は、本税+ペナルティを一度に払わなくてはいけません。これはきついです。
例)3年分の無申告を指摘された
利益が月25万円ほど、年間300万円ほどの場合
↓
1年分だけでも20~30万円ほどの所得税、住民税
+
国民健康保険とペナルティが加算される= 130~140万円ほど(一括払い)
こんな金額を支払う羽目になるのですね。
税金は、自己破産しても支払いの義務は消えないものです。確定申告は、忙しくてもきちんと行いましょう。
無申告の代償は罰金のみにあらず
罰金というペナルティもさることながら、刑事罰が課せられてしまうこともあるのです。怖いですね。
罰金は、原則的には5年間さかのぼっての支払いとなるため大変高額になります。悪質なケースは7年さかのぼる場合も。
更に悪質きわまる場合には、刑事罰が待っているのです。
「フリーランスが無申告で被る6つの怖すぎデメリット」
に、無申告の刑事罰とその他の影響についてまとめてあったので引用します。
刑事罰
無申告による罰金
10年以下の懲役もしくは1,000万円 以下の罰金(または、その両方)
「無申告は脱税であり、刑事罰にも値するという事実」と記事は訴えています。
その他のデメリット
- 所得税に加えて住民税+事業税、消費税や源泉所得税などの追加支払が生じる
- 国民健康保険料も追加支払が生じる
- 青色申告特別控除65万円が使えない
- 銀行借入ができない
税金が無申告だと、銀行借入ができないのです。住宅ローンや自動車ローン、教育ローンにして然り。ここまで認識している人は少ないのではないでしょうか。
確かに借入の審査を受ける時、収入(所得)を証明する書類を求められますよね。銀行からすれば返済能力があるのかを知りたいわけです。
「確定申告書を見せてください」と言われて「申告していません」と答えた場合、借入をすることはできません。
「熊本のクラウド専門税理士 クロキコウタのブログ」によると、売上や経費の証拠になる書類や領収書、通帳などを、わざと捨ててしまう人がいるというのです。不可解ですが、これは無申告がバレたとしても、証拠がなければ罰金は課せられないと勘違いしていることによる行動だそうです。
しかし、このようなケースでも推計課税(すいけいかぜい)という算出法があり、同業他社のデータなどを元に、利益を推理して計算し税金を課すことができるそうです。普通に申告した場合よりも利益が大きくなることの方が多いそうですが、文句は言えませんね。
またこのブログの運営者クロキコウタさんは、ずっと無申告でやってこれた夫婦が、子供が保育園に入園しようという時に無申告時代の終焉を迎えたエピソードを知っていました。確かに保育園に申し込むときに、収入の収入証明や納税証明または確定申告の提出は必須です。もしかしたら、働いているのが嘘かもしれないからです。
また、現金で大きな買い物をしたときも税務署にちゃんとばれてしまうことを挙げています。例えば家やマンション、車を買った場合や、大きなお金の動きがある場合、そうしたところから脱税がバレる可能性があるそうです。
記事によると、この場合税務署から
「あんた、家買うたんやて?金は?どうやって準備したんよ?」(原文ママ)
といった文書が送られてくるそうです。
これは本来、親から家の購入資金を出してもらったりする場合に発生する、贈与税の申告漏れがないかどうかをチェックするためのものです。
しかし、無申告の人はついでにその事実がばれてしまうのです。家を買ったことで。
「無申告で一生逃げ切り、普通の生活を送るのは、ほぼ無理なんです。」と語るクロキコウタさん。彼はこの記事のまとめとして、無申告の人がきちんと確定申告する場合、いきなり税務署に行くよりも、まずは税理士に相談することをお勧めしています。
まとめ
引っ越しをするとその世帯の納税データが行政から行政へ移行しますが、私はその時に、払い忘れていた10年前の延滞税の取り立てを受けたことがあります。
10年物の未納金ということで、たいへん怖い方が自宅まで来られました。すぐに支払ったわけですが、ついでに
「あなた何年も確定申告してないじゃないですか!」
と、すごまれました。しかし、数年間主人は契約社員だったため申告の必要がなかったので、こちらは税務署の間違いでした。
それにしても10年物の延滞金のような悪質な取り立てには、それ相応の職員がくるのだなと学んだ体験でした。
無申告は一見見逃されそうですが、見つかった場合は恐ろしいペナルティが待っています。この記事に学び、確定申告はきちんと行いましょう。
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