フリーランスエンジニアに「フリーランス辞めたいと思う瞬間」について聞いてみた
19/04/14 14:54:17 19/06/02 13:34:59
会社員が会社を辞めたいと思うことがあるのと同様に、フリーランスエンジニアがフリーランスを辞めたいと思うこともあります。しかし、実際に会社員に戻った人はほとんど見たことがありません。
私の知っている会社員に戻った事例でも、フリーランスと並行しながら週に何回かだけオフィスで業務を行うようなスタイルでした。では、どのようなときにフリーランスを辞めたいと思い、なぜ結局フリーランスを辞めないのでしょうか。それについて紹介していきます。
目次
自分一人で考えることに疲れた
人によって表面的な言葉は違いますが、まとめると自分一人で自分の仕事の方向性や勉強内容を考えることに疲れてしまうフリーランスエンジニアは多いです。
本当に自分のやっていることは合っているのだろうか、この方針で間違ってはいないだろうか、自分は今のまま頑張り続けることができるのか、途中で仕事が嫌になって作業が手に付かなくなってしまうのではないか、といった自問自答が始まり、結果的に投げ出したい気持ちになるのです。
特に在宅で一人で作業をすることの多いフリーランスエンジニアは、自分と向き合う時間が人よりも多くなります。いろいろ考えたり悩むことは良いと思いますが、それによってマイナスに作用してしまうなら本末転倒です。
それでも会社員には戻りたくない
しかしこのときほとんど、もしくは全員が口をそろえて言うのは「会社員には戻りたくない」ということです。会社員の方が会社が仕事内容のレールを敷いてくれるため、方針を考えなくても良いという点では楽です。
しかし一度フリーランスを経験している人は、会社員として頑張るよりもフリーランスとして頑張った方が自分にメリットのあるスキルアップやビジネス展開に持っていきやすいことを知っています。
フリーランスは大変だ、会社員はレールが敷いてあるから楽だと言っておきながら、でもそのレールに自分は乗りたくないけどな、と思っているのです。そのため、一時的に愚痴を言ってもフリーランスのまま活動している人がほとんどです。
またもっと単純に、フリーランスの方が時間の融通が利きやすい、自分のペースで生活できる、人間関係の煩わしさがない、といったこともあります。たとえフリーランスに大変さを感じたとしても、一度味わうと会社員の生活に戻るのは厳しいでしょう。
大変さの代わりに得るもの
たしかにフリーランスには自分で自分のことをすべて考えなければならない大変さがありますが、会社に合わせなければならない大変さと違って考えて行動した分スキルや報酬として自分に返ってきます。
会社員の場合いくら大変さを我慢して乗り越えても、必ずしも自分にとって大きなメリットがあるとは限らないスキルが身に付いたり、会社での自分の立場が守られるに過ぎません。
もちろん会社員を批判しているわけではありませんが、フリーランスを経験した人ほどフリーランスのメリットをよく理解しているということです。
仕事がうまくいかない
漠然とした表現ではありますが、いろいろな理由で仕事がうまくいかず、フリーランスを辞めたいと考える人がいます。これに関しては会社員も同じでしょう。
具体的にうまくいかない原因は様々ですが、スキルが足りない、スキルはあるもののミスをしてしまう、仕事が面白いと思えない、モチベーションが上がらない、などなどです。
いろいろありますが、結局のところはモチベーションが上がらないことがもっとも大きな原因かと思います。モチベーションが上がればたとえ仕事で多少うまくいかないことがあったとしても、挫折せずにスキルアップを図り、再チャレンジできるはずです。
フリーランスとして頑張れば自分にメリットがあることを理解していても、なかなかそのための努力ができなかったり、なぜそこまで頑張る必要があるのかと疑問が出てきてしまったりするのです。
とはいえ、上の話と同様会社員に戻りたいわけではありません。フリーランスを辞めたいと言っている人も決して会社員になりたいわけではないので、結局は辞めません。
どちらかとうと、フリーランス同士で協力したい、完全に一人で作業するのは辛い、といった裏の意図があってフリーランスを辞めたいと言っている印象です。
一人で作業するのが寂しい
いい大人が何を言っているんだ、と思われるかもしれませんが、実際一人で作業することに寂しさを感じるフリーランスエンジニアも多いように思います。人間はもともとDNA的に群れる動物で、孤独は健康寿命にも影響する、と聞いた記憶があります。
ということは、もしかすると普通のDNAを持っている人ほど孤独を感じ、本能的に危険信号を発しているのかもしれません。なぜ人間が群れを成す性質を持つかというと、外敵から身を守るためだそうです。
外敵がいた頃と人間の遺伝子はそこまで変わっておらず、一人になると「外的に襲われる、群れを成せ」と危険信号が教えてくれます。この影響から、一人で作業しているフリーランスエンジニアは寂しさを感じるのかもしれません。
感じ方は人それぞれ
しかしこれはかなり人によりけりで、特に何も感じない、むしろ作業に没頭できて良い、と考えるフリーランスエンジニアが多いのも事実です。性格なのか生まれ持っての脳の性質なのかはわかりませんが、かなり個人差の大きいところです。
ちなみによくあるフリーランス適性診断などでは、一人で作業するのが好きかどうかといった項目が含まれていることが多いです。一人で作業するのが好きな人は、逆に会社員時代に煩わしさを感じた経験があるかもしれません。
会社で協業するよりも個人で活動したい人にはフリーランスが向いています。また特に一人でも複数人でもどちらでも良いと考えている方は、会社員でもフリーランスでもどちらでもやっていけるでしょう。
コミュニティの存在
あと一人で作業するのがどうしても寂しいと感じている人は、最終的に会社員い戻るのではなく、フリーランス同士で集まって仕事するようなコミュニティに参加しているケースが多いようです。
そこでコミュニケーションを取ることでモチベーションアップにもつながるかもしれないので、参加してみる価値はあるかもしれません。面倒だと感じるのであれば、無理に参加する必要はありません。
バグが直らない
上で紹介した仕事がうまくいかない話と多少重複しますが、こっちはよりバグに特化した話です。会社員でもフリーランスでも同じですが、バグにはまってしまい、なかなか抜け出せないことがあります。
会社員の場合は周囲に別の社員がいるので、どうしても抜け出せない場合助言を受けることも可能です。それで解決するとは限りませんが、たとえば自分では気付かなかった単純ミスに気付いてもらえるようなこともあるでしょう。
しかし、在宅で作業しているフリーランスエンジニアは特に、誰もコードをチェックしてくれる人がいません。バグが発生したら自分で解決する必要があるのです。
これは最初のうちはなかなかに大変で、納期が迫っているのに数時間まったく進捗がないようなケースもあります。必死にネットで検索したり書籍を漁ったりするのですが、解決できずに苦しみます。
結果的にスキルアップ
これも経験のうちだ、自分のスキルアップにつながる、今後に役立つ、頭の体操だ、と前向きに考えられる人は良いでしょう。実際バグにハマってもがく経験もプログラミングスキルを高めるためには重要です。
そこでコードを悩み続けた記憶は頭に残りますし、いろいろ調べて得た情報は次回以降の案件で力になるでしょう。なのでバグにハマってもがくことは必ずしも悪いことではないのですが、どうしてもギブアップしてしまう人がいます。
たとえば1時間くらい調べてわからなければ、もう無理だ、全然わからない、と投げ出したくなる気持ちになるでしょう。そこでふと、こんなとき会社員だったら周りに助けてくれる人がいるのにな、解決はしなくても話すだけで楽にはなるのに、といった思考になるかもしれません。
とはいえ、それで会社員に戻るかと言えば戻っていないように思います。後日談として話を聞きましたが、最終的にはなんとか解決できている場合がほとんどです。
増えてきた解決方法
今はエンジニア専用サイトで質問することもできますし、そこで過去の質問を漁っていれば似たようなバグにハマった人の投稿が見つかったりもします。またどうしても解決策がわからなければ、周辺知識について徹底的に勉強して自力で考えるのも一つの手です。
解決策だけをピンポイントで探そうとするから見つからないのであって、そこに関する技術を自分が徹底的に理解していてば自分で考えて解決できるという発想です。
とにかく最初のうちはフリーランスエンジニアとして作業していてバグにハマると大変ですが、スキルアップを積めばバグの解決もうまくなり、自力でなんとかできるようになるということです。
なんのために生きているのかわからなくなる
これは頻繁に聞くというほどではありませんが、何人かこういったことを言っていました。原因までははっきりしませんが、共通点として、毎日毎日ひたすらパソコンに向かって作業を続けて、それでお金はもらえても人生が充実するわけではない、もっと楽しく生きたい、といった趣旨だったと記憶しています。
これに関してはフリーランスだけでなく、会社員のエンジニアも同じようなことを思っているかもしれません。人間はおそらくパソコンに長時間向き合うようにできていないので、本能の叫びなのかもしれません。
この問題は会社員になったから解決するものではなく、解決するためには別の業界に移るようなことが必要かもしれません。しかし問題点だけではなくフリーランスエンジニアには場所や時間に縛られないという大きなメリットがあるので、これだけで諦めるのはもったいないでしょう。
悩んだり考えても解決策が見えなかったりするのも経験のうち、今後につながると考えて、やり続けるしかないかと思います。
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